流通大手のイオンリテールが運営するイオンモバイルとネットサービス大手の楽天が運営する楽天モバイル。
イオンモバイルと楽天モバイルは、異業界から格安SIMへ参入しており比較されることが多々あります。
本記事では、認知度も高く格安SIMの中でも評判の良い両社の料金や速度、サービスを徹底的に比較します。
Contents
丸わかり!イオンモバイルと楽天モバイルの比較まとめ
いきなりですが、サービス、料金、通信速度の比較結果を先にお見せします!
イオンモバイル | 楽天モバイル | ||
サービス | データ容量シェア | 〇シェアプラン有 | 〇余ったデータをシェア |
かけ放題オプション | 〇10分以内 | 〇5分以内 | |
3日間制限 | 無し | 無し | |
店舗充実度 | 〇 | △ | |
iPhone購入 | × | 〇 | |
料金の安さ | データ専用SIM | △ | △ |
音声通話SIM | 〇 | △ | |
解約料不要 | 〇 | × | |
通信速度 | 実測 | 〇 | △ |
それでは結果の詳細をみていきましょう。
イオンモバイルと楽天モバイルの人気度
まず、イオンモバイルと楽天モバイルの客観的な評価を見てみましょう。
MMD研究所が発表した「格安SIMサービスの利用者数」
- 1位 楽天モバイル
- 7位 イオンモバイル
オリコンが発表した「格安SIM顧客満足度ランキング」
- 2位 イオンモバイル
- 7位 楽天モバイル
格安SIMの利用者が多いのは楽天モバイルですね。格安SIMとしての認知度も楽天モバイルの方が高いです。
顧客満足度は、サービスを利用した顧客が満足しているかどうかの指標です。こちらはイオンモバイルの方が満足度が高いという結果になっています。言い換えれば、契約して後悔している人が少ないということですね。
続いて、イオンモバイルと楽天モバイルの詳細なサービスの比較をしてみましょう。
イオンモバイルと楽天モバイルのサービスを比較
データ容量を繰り越しできる?
イオンモバイルも楽天モバイルもデータ繰り越しサービスに対応しています。余ったデータ通信量はその翌月に繰り越すことができます。
両方の格安SIMともに、有効期限は一カ月となります。翌々月まで繰り越すことはできません。例えば、4月に300MBデータ通信量が余った場合、その300MBが使えるのは5月末までということになります。
データ繰り越しサービスは両社とも同じですね。
データ容量をシェアできる?
イオンモバイルの場合、シェア音声プランに加入すればデータ容量の余り関係なく契約回線内でシェアすることができます。
シェア音声プランは、イオンモバイル1契約のデータ通信容量を最大3枚のSIMカードで共有するプランです。例えば6GBのシェアプランを契約したとすると、最大3台の端末の合計通信量が6GBまで使えるということです。
イオンモバイルでは、このように同じ1契約の中でシェアすることができます。
一方、楽天モバイルの場合、楽天モバイル契約者であれば誰とでも余ったデータ容量をシェアすることができます。
下の図のように、その月の余ったデータ通信量を家族や友人などにシェアすることができます。最大で5人とシェアすることができます。
ただし、オプション料金として下記の料金がかかります。
- データシェア料金:月額100円
少し残念ですが、データ通信容量を無駄なく効率的に使えるのであれば安いと捉えることもできますね。
通話料金が半額になるアプリがある?かけ放題オプションは?
イオンモバイルも楽天モバイルも通話量が半額になるアプリがあります。
イオンモバイルは「イオンでんわ」、楽天モバイルは「楽天でんわ」ですね。通話料金は大手キャリアの半額となる10円/30秒です。
これらのアプリを利用するかけ放題オプションの比較は次の通りです。
かけ放題の制限時間 | かけ放題オプション料金 | |
---|---|---|
イオンでんわ | 10分以内 | 850円 |
楽天でんわ | 5分以内 | 850円 |
料金は両社とも同じですが、かけ放題になる時間が異なります。イオンモバイルの場合は「10分以内の電話なら何度かけてもかけ放題」なのに対して、楽天モバイルでは「5分以内の電話なら何度かけてもかけ放題」です。
この差は大きいですね。倍ほど時間が異なりますからね。
かけ放題オプションはイオンモバイルがオトクですね。
3日間制限はある?
3日間制限とは「連続する3日間に所定のデータ通信容量を超過すると通信速度が制限される」というものです。
格安SIMのほとんどにこの3日間制限があります。しかし、イオンモバイル、楽天モバイル両社ともこの3日間制限がありません。
楽天モバイルは2017円途中から3日間制限を撤廃しました。素晴らしい対応ですね。
店舗は充実している?
イオンモバイルは、流通超大手で全国のイオン200店舗以上で申し込むことができます。
一方の楽天モバイルにも実は店舗があります。ほぼ全国の都道府県に店舗がありますのでイオンモバイルよりは少ないですが、他の格安SIMと比較するとかなり多い方です。
両方の店舗に言えることですが、店舗があれば申し込みだけでなく料金プランの変更や故障時の対応などのサービスにもすぐに対応してくれるメリットがあります。
iPhoneは購入できる?
iPhoneを使いたい方も多いですよね。
両社ともドコモの回線を利用した格安SIMですので、現在ドコモのiPhoneを所有されている方は、継続して使用することができます。イオンモバイルはau回線のプランもありますのでauのiPhoneもそのまま使用することができます。
格安SIMとセットでiPhone端末の購入を考えられる場合は楽天モバイルで購入するしかありません。イオンモバイルではiPhone端末の取り扱いはなく、楽天モバイルであればやや古い機種にはなりますが、取り扱いがあります。
イオンモバイルでも、SIMフリーのiPhone端末を別途準備できればiPhoneを使用することができます。
詳細は下記の記事を参考にしてくださいね。
「iPhoneをできるだけ安く持ちたい!格安SIMでiPhoneを使う方法を徹底的にまとめたよ【図解】」
料金を徹底比較
まずはイオンモバイルの料金表をチェックしてみましょう。
■イオンモバイル料金表
データ | データ+SMS | 音声通話 | シェア音声プラン (通話SIM1枚+データSIM2枚) |
|
---|---|---|---|---|
500MB | - | - | 1130円 | - |
1GB | 480円 | 620円 | 1280円 | - |
2GB | 780円 | 920円 | 1380円 | - |
4GB | 980円 | 1120円 | 1580円 | 1780円 |
6GB | 1480円 | 1620円 | 1980円 | 2280円 |
8GB | 1980円 | 2120円 | 2680円 | 2980円 |
12GB | 2680円 | 2820円 | 3280円 | 3580円 |
20GB | 3980円 | 4120円 | 4680円 | 4980円 |
30GB | 5380円 | 5520円 | 6080円 | 6380円 |
40GB | 7480円 | 7620円 | 7980円 | 8280円 |
50GB | 10300円 | 10440円 | 10800円 | 11100円 |
大容量のプランがずらりと並んでいますね。続いて楽天モバイルの料金プランです。楽天モバイルには大きく分けて2種類のプランがあります。「組み合わせプラン」と呼ばれるものと「スーパーホーダイ」と呼ばれるものです。
■楽天モバイル料金表
・組み合わせプラン
通話SIM | 050データSIM (SMSあり) | データSIM (SMSなし) |
|
---|---|---|---|
ベーシックプラン | 1250円 | 645円 | 525円 |
3.1GBプラン | 1600円 | 1020円 | 900円 |
5GBプラン | 2150円 | 1570円 | 1450円 |
10GBプラン | 2960円 | 2380円 | 2260円 |
20GBプラン | 4750円 | 4170円 | 4050円 |
30GBプラン | 6150円 | 5520円 | 5450円 |
・スーパーホーダイ(通話SIMのみ対応)
プランS | プランM | プランL | プランLL | |
---|---|---|---|---|
基本料金 (最低利用3年の場合) | 開始2年間:1480円 3年以降:2980円 | 開始2年間:2480円 3年以降:3980円 | 開始2年間:4480円 3年以降:5980円 | 開始2年間:5480円 3年以降:6980円 |
基本料金 (最低利用2年の場合) | 開始2年間:1980円 3年以降:2980円 | 開始2年間:2980円 3年以降:3980円 | 開始2年間:4980円 3年以降:5980円 | 開始2年間:5980円 3年以降:6980円 |
データ通信 | 2GB | 6GB | 14GB | 24GB |
データ容量を使い切っても最大1Mbpsで使い放題 | ||||
通話 | 10分以内の通話がかけ放題 |
楽天モバイルのスーパーホーダイはやや特殊で比較が難しいので、まずは組み合わせプランとイオンモバイルの料金プランを比較してみましょう。
見やすくするためまとめて表にしますね。金額の差額がわかりやすいようにできるだけ近いデータ容量のプランを抽出しました。
■イオンモバイルと楽天モバイルの料金差
データSIM(SMS付) | 音声通話SIM | |||
---|---|---|---|---|
イオンモバイル | 楽天モバイル | イオンモバイル | 楽天モバイル |
|
2GB | 920円 | × | 1380円 | × |
3.1GB | × | 1020円 | × | 1600円 |
4GB | 1120円 | × | 1580円 | × |
5GB | × | 1570円 | × | 2150円 |
6GB | 1620円 | × | 1980円 | × |
8GB | 2120円 | × | 2680円 | × |
10GB | × | 2380円 | × | 2960円 |
20GB | 4120円 | 4170円 | 4680円 | 4750円 |
30GB | 5520円 | 5520円 | 6080円 | 6150円 |
データ通信専用SIMの比較
上の表をチェックしながら、まずはSMS付のデータSIMを比較してみましょう。ちなみに楽天モバイルの050データSIMは、データSIMに050から始まる電話番号が付与されます。
全く同じデータ容量なのは20GBと30GBのみですね。比較すると30GBは同じ料金で20GBは50円イオンモバイルの方が安くなっています。
ライバル関係にあるためか、データSIMに関してはかなり料金が似通っています。どちらが一概に安いとは言い難いですね。
音声通話SIMの比較
こちらも同じデータ容量の20GBと30GBで比較してみましょう。20GBと30GBで70円ほどイオンモバイルの方が安くなっています。
また、楽天モバイルは3.1GBで1600円なのに対してイオンモバイルは4GBで1580円ですのでイオンモバイルの方がオトクですね。
さらに、楽天は5GBで2150円なのに対して、イオンは6GBで1980円ですのでイオンモバイルの方がオトクですね。
音声通話SIMに関してはイオンモバイルの方が圧倒的に料金が安いと言えます。
また、提供している料金プランをみても、イオンモバイルの方が500MB~50GBと容量が細かく分かれており、より自分に適したプランを選択できる可能性が高そうですね。
まとめると、データ通信専用SIMでは、イオンモバイルも楽天モバイルも料金はそれほど変わらないけど、音声通話SIMでは、明らかにイオンモバイルの方が料金が数百円安いと言えます。
スーパーホーダイはそれほどオトクではないかもしれない
ただ、楽天モバイルの音声通話SIMには「スーパーホーダイプラン」というものも提供されており、下記の特徴があります。
- 5分以内の通話がかけ放題オプションがセット
- 定められたデータ容量を超えても1Mbpsの通信速度
- 2年目以降は料金が1000円上がる
例えば、プランS(2GB)の場合は、1年目1980円ですが2年目以降は2980円となります。
イオンモバイルの2GB音声通話SIMの場合、1380円です。10分以内のかけ放題オプション(+850円)を付加しても2230円ですから、スーパーホーダイと比較してもイオンモバイルの方が料金はオトクと言えるでしょう。
ただ、スーパーホーダイプランにはデータ容量を超えても1Mbpsでの速度が維持されるというメリットがあります。イオンモバイルでは容量を超えると200kbpsまで速度が低下します。
データ容量を頻繁に超過する方は、スーパーホーダイを契約したほうがメリットがありますね。
家族でデータ容量をシェアするならイオンモバイル
また、イオンモバイルにはシェアプランがあり、1契約で最大3回線までデータ容量をシェアできるプランがあります。例えば、家族3人で12GBをシェアするといった使い方ができるメリットがあります。
楽天モバイルではこのようなシェアプランはなく、あくまでも余ったデータ容量を友達や家族とシェアできるだけです。
契約や解約の便利さを比較
契約のしやすさはどちらも同じ
店舗数に違いはありますが、両社とも店舗でもインターネットでも申し込みができます。
インターネット上で申し込む場合は、申し込み完了後にSIMカードが自宅届けられるます。届いたSIMカードを端末に挿入して自分で初期設定を行う必要があります。
ただし、両社とも、電話でのサポート体制も充実しているので、設定の心配は無用です。いざとなれば店舗に直接持ち込んで設定方法を教えてもらうということも可能ですしね。
解約はイオンモバイルの方がしやすい
楽天モバイルの音声通話SIMを契約してから、12か月以内に解約すると9800円の解約料が発生してしまいます。ただしデータSIMの場合は解約料は発生しません。
一方、イオンモバイルは、契約から何カ月という決まりはなく、いつ解約しても解約料が発生しません。
ほとんどの格安SIMでは楽天のように解約料が発生するのですが、イオンモバイルでは発生しないんですよね。これは素晴らしいメリットですね。
通信速度を比較
keisoku.ioという24時間格安SIMの通信速度を公開してくれているサイトがありますので、そこのデータを参考にみてみましょう。
格安SIMは通信時間帯によって大きく速度が異なります。例えば平日のお昼など回線が混雑する時間帯では通信速度が遅くなる傾向にあります。
イオンモバイルにはドコモ回線とau回線があり、ドコモ回線はさらにタイプ1とタイプ2に分かれています。
タイプ1とタイプ2については、下記の記事内に詳細を記載していますので参考にしてくださいね。
参考記事「イオンモバイルの特徴から評価や評判までを徹底検証」
タイプ1とタイプ2では回線提供事業者が異なるので、通信速度も異なってきます。
それではとある平日の結果をチェックします。
朝の時間帯(8時~8時半)
- イオンモバイル(ドコモ/タイプ2) 8.1Mbps
- イオンモバイル(au/タイプ1) 2.6Mbps
- イオンモバイル(ドコモ/タイプ1) 2.5Mbps
- 楽天モバイル 1.2Mbps
昼の時間帯(12時15分~12時45分)
- イオンモバイル(ドコモ/タイプ2) 3.8Mbps
- イオンモバイル(ドコモ/タイプ1) 0.4Mbps
- 楽天モバイル 0.3Mbps
- イオンモバイル(au/タイプ1) 0.1Mbps
夕方の時間帯(17時半~18時)
- イオンモバイル(ドコモ/タイプ2) 10.8Mbps
- イオンモバイル(au/タイプ1) 5.2Mbps
- イオンモバイル(ドコモ/タイプ1) 1.6Mbps
- 楽天モバイル0.8Mbps
夜の時間帯(19時~22時)
- イオンモバイル(ドコモ/タイプ2) 12.2Mbps
- イオンモバイル(au/タイプ1) 6.0Mbps
- イオンモバイル(ドコモ/タイプ1) 3.9Mbps
- 楽天モバイル 1.2Mbps
イオンモバイルと楽天モバイルの通信速度を比較すると、イオンモバイルの方が総じて速いことがわかりますね。
イオンモバイルの中でもドコモ回線のタイプ2が最も通信速度が速い結果となりました。
予想していたよりも楽天モバイルのスピードが遅くなっているようです。通信速度を重視する方は間違いなくイオンモバイルを選択した方がよいでしょう。
通信速度に関しては日々変化しているので、数カ月後にも同じ結果になるとは限りません。ご自分で通信速度をチェックしたい方はkeisoku.ioにアクセスして確認してみてください。非常におすすめのサイトです。
まとめ
イオンモバイルと楽天モバイルをサービスや料金、速度のあらゆる面から比較してみました。
はっきり言い切ってしまいますが、私としてはイオンモバイルを強くおすすめします。
シェアプランなど料金プランが豊富で、かつ、店舗が多くサポート体制も整っています。
また、料金も音声通話SIMで比較すると楽天モバイルよりも安く、通信速度も上回っています。
そして何と言ってもイオンモバイルは解約料が発生しません。これは格安SIMの中でも非常に珍しく素晴らしい対応だと思います。
一度契約して、気に入らなければすぐに解約することができます。
このようなメリットがあるイオンモバイルを試してみてはいかがでしょうか。
楽天モバイルはこちらから
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